先日、知人とカフェで【メラビアンの法則】についての話になりました。
【メラビアンの法則】とは簡潔に言うと、『人は見た目が9割で決まる』
という心理学の法則です。
で・す・が!
ただ単に身だしなみを整えればいいってわけじゃありません!
【メラビアンの法則】には大きな誤解がありそうです。
今回は、【メラビアンの法則】の正しい意味について解説します。
動画で見たい方はこちら。
【メラビアンの法則】とは何?コミュニケーションは視覚と聴覚で9割を占める?
【メラビアンの法則】とは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが
1971年に提唱した非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の
重要性を説いた法則です。
非言語コミュニケーションというのは、『視覚』や『聴覚』からの情報ですね。
例えば、笑顔で自信に満ちた表情をしてたり、
大きな声でハキハキとしゃべったりすることですね。
また【メラビアンの法則】は別名、3Vの法則とも呼ばれています。
Verball『言語情報』
Vocal『聴覚情報』
Visual『視覚情報』
【メラビアンの法則】の重要性をパーセンテージで表したのが以下の図です。
これらを踏まえて私の知人が話していたのは、こんな感じです。
「すぎにいさん、メラビアンの法則って知ってます?
人は、身だしなみなど『視覚』の情報が55%、
声のトーンなど『聴覚』の情報が38%、でも『話の内容』など、
言語の情報は7%しかありません。
だから『話の内容』よりも、『人は見た目が』大事なんですよ。」
確かに『人は見た目が9割』というのは分かる気がします。
汚い服を着ていて、ぼそぼそ話をする人にプレゼンされても
説得力はありませんからね(笑)
でも、ちょっと待ってください!
『話の内容』よりも『身だしなみ』さえ整えれば良いのでしょうか?
私はこの事に疑問を感じたので、改めて【メラビアンの法則】について検証しました。
【メラビアンの法則】の実験について
メラビアンの行った実験は『相手の言葉と態度が一致しない時、
言語・視覚・聴覚のどれを重視するか?』というものです。
実験のために用意されたのは、次のものです。
「好意」「嫌悪」「中立」を表す言葉(好意なら”honey”など)
「好意」「嫌悪」「中立」のイメージで上記の言葉を録音
「好意」「嫌悪」「中立」を表す表情の顔写真
被験者にそれらの矛盾した情報を組み合わせて提示し、
「どういう印象をもったか?」という実験でした。
「好意」の言葉を聞きながら、「嫌悪」の顔写真を見せられるといったことです。
この実験を調べて、私が思いついた例が俳優の竹中直人さんのネタです。
『笑いながら怒る人』って知ってますか?
「なんだよ!この野郎!バカ野郎~!」って言葉では怒りながら、
顔はメチャクチャ笑ってるというネタです(笑)
これは「なんだよ!この野郎!バカ野郎~!」という『言語情報』の嫌悪感よりも
ニコニコ笑顔で笑っている竹中直人さんの表情という『視覚情報』が好意的に感じるため、
怒っているように感じないのだと考えられます。
【メラビアンの法則】は、なぜ誤解を生み出したのか?
【メラビアンの法則】はあくまで、矛盾した組み合わせで
被験者が「どう感じるか?」という実験です。
『言語情報』より『聴覚情報』、『聴覚情報』よりも『視覚情報』が優先されるというだけで
『人は見た目が9割』というわけではありません。
しかし、現代の人々はインターネットの載った情報や他人が言ったことを
そのまま真に受けてしまい、鵜呑みになりがちです。
自分が知った内容を深掘りすることで、物事の真意が見えるかもしれません。
『言語情報』、『聴覚情報』、『視覚情報』のすべてを合わせれば、
より一層、相手に対して伝わりやすいのではないでしょうか?
『見た目も言葉も合わせて10割』です(笑)
まとめ
今回は【メラビアンの法則】の誤解について解説しました。
インターネットの載った情報や他人から聞いた言葉に惑わされず、
まずは自分で調べて深掘りして考えてくださいね。
【メラビアンの法則】が間違っているのではなく、
チグハグな情報を与えられると、人間は『視覚情報』や『聴覚情報』を
優先しがちになるということです。
『見た目も言葉も合わせて10割』を目指し、
相手に伝わるように努力してくださいね(笑)
それでは、また!