この日の前日に色々なことが起こり疲れていました。シャワーを浴びて、いつの間にかベッドで眠っていたのです。
しかし、朝起きると何やら部屋の雰囲気が違うことに気づきます。
お金がすべて盗まれる
ぼくはホステルのベッドで寝ていた。疲れた体を起こし、目を開けると何かがおかしい。
閉まっているはずのドアがほんの少し開いている。この部屋はドミトリーなので、ドアはあるが内側からカギをかけることはできない。
違和感はまだあった。枕元に置いていたはずのカバンが移動していたのだ。
そして、カバンからなぜか、財布が飛び出している。
まさか…と思い、財布の中身を見ると、現金がすべてなくなっていた。
「マジか!!!やられた!!!」
思わず、ぼくは声を上げてしまった。他にも盗まれていないか確認したところ、幸いにもクレジットカードやパスポートは無事だった。
あと盗まれた現金はマレーシアのリンギットと日本円をあわせて、3~4万円ほどだった。
人によったら、大した金額ではないだろう。
ぼくにとって金額が問題ではなく、日本を旅立つ前に妻から「困った時のために…」とお小遣いをもらっていた。
そのお金を盗まれてしまったのが悲しかった。
少し呼吸を整えて、ぼくは思った。
「これは、もうネタにするしかない」
盗まれた現金は戻ってこないと判断した。どうせクヨクヨしていても、何も起こらない。だったら、ツイートして誰かに助けを求めようと思った。
▼ツイートがこちら
全財産盗まれました
現在、クアラルンプールのホステルに泊まっているのですが、朝起きると財布の中身が全て空っぽになっていました💦カギもない部屋なので、カバンを抱きかかえて寝るべきでした。日本人の性善説は成り立たないのを実感。明日からどうやって生活しよう😭誰か助けてください。 pic.twitter.com/cKvqLpEzBn
— すぎにい@100日後にマレーシアでビジネス立ち上げる42歳 (@suginiiwriter) May 18, 2023
すると、次々と知り合いから心配の声をもらった。
「大丈夫ですか?」「なにか力になれることがあれば言ってください」「体が無事でよかったです」
など、本当にあたたかい言葉をいただいた。
リアルで繋がっている方から直接、DMをいただき優しい声をかけてもらった。
なかには支援してくれる方もいた。
お金が大事なのではなく、すぐに声をかけてくれる気持ちが嬉しい。
その方たちには、本当に心からの感謝と今後、自分ができることは何でも協力したいと思えた。
ツイートがバズる
次第に「いいね」や「リツイート」の数も今まで見たことがないほど反応があった。
この記事を書いている2023年6月6日の段階での数値が以下。
158.7万インプレッション、5,579いいね、1,486リツイート
いわゆる、これがバズと呼ばれるものらしい。
ぼくは正直、こんなにも反応があると思っていなかったので驚いていた。
そして、最初は知人だけのコメントだったが、次第に知らない方からもリプ(返信)が届いた。
「大使館に行け!」「海外で無防備すぎだろ」「自作自演おつ」など、誹謗中傷の声に変わってきたのだ。
それと同時に初めてあじわうアンチコメントに対し、意外にも冷静な自分がいるのに気づいた。
正直、そんなアンチコメントに構っていても、何も生まれない。
だから、アンチコメントは全て無視して、応援してくれる方だけに返信した。
昨日まではメンタルが弱りきっていた自分だったが、今はウソのように強くなっていることに気づく。
その後、ホステルで一緒に泊まっている日本人のDさんに相談した。
すぎにい「じつは、ぼくお金を盗まれたんですよ~」
Dさん「マジっすか!でも、このホステルでそんなことが起こったのは聞いたことないです」
すぎにい「え!そうなんですか?」
どうやら、かなり稀な事例のようで、ぼくは他の旅行客に狙われていたのかもしれない。
自分の油断が招いた結果なので、自己責任だと思う。
Dさんのアドバイスを受けて、ぼくは念のため、ホステルのスタッフにお金が盗まれたことを告げた。
どうやら、防犯カメラがないため、犯人の特定は難しいようだ。
最初から期待はしていなかったので、全然問題ない。
しかし、ぼくはこのホステルであと2週間は過ごす予定だ。
防犯対策で、さらにバズる
普通だったら、怖くて宿を変えるかもしれない。
でも、ぼくはあえてホステルに泊まり続けようと決心した。
なぜって?その方が絶対に面白いからだ。
それにぼくの中で、宿を変えるのは負けた気持ちになるから嫌だった。
だったら、立ち向かってやろうと決めた。
しかし、さすがに何も対策をしないで泊まるのは無謀だ。
そこで、部屋をDIYするのはどうかと考えた。
では、どんな風にDIYしよう?
そもそも、内側からカギをかけられないというのが問題だ。
元々、外側からは防犯のため、南京錠をつけられる仕様になっていた。
だったら、内側からもカギをかけられるようにすればいい。
しかし、勝手にDIYするのはマズイので、ホステルのスタッフに拙い英語と翻訳アプリで交渉した。
すぎにい「このまま部屋に泊まるのは、怖いのでDIYさせてください。費用は自分で出します」
ホステルのスタッフはやさしく、ぼくのDIYも快く受け入れてくれた。
ぼくは近隣の店を知らないので、Dさんに連れて行ってもらった。
マレーシアでは、「Mr.DIY」という日本の百均みたいなショップがある。
この店で蝶番と念のために突っ張り棒を購入して、外側からドアを開けないようにする作戦だ。
ちなみに商品の購入は、すべてクレジットカードで行った。
マレーシアではクレジットカードが主流で、屋台や小さな個人店以外は、だいたいクレジットカードで支払える。
▼そのときのツイートがこちら
ドミトリーの防犯対策をしました。マレーシアの百均みたいなショップで、カギをつける蝶番と突っ張り棒を購入。ホテルのスタッフから、電動ドライバーを借りてDIYしました。これで今晩は何とか寝れそうです。防犯対策の商品は、ぼくのことを援助してくれた方がいたので買えました。本当に感謝です🙇♂️ https://t.co/6Dgyezvu3A pic.twitter.com/rECCRSQQDc
— すぎにい@100日後にマレーシアでビジネス立ち上げる42歳 (@suginiiwriter) May 19, 2023
バッチリ、対策をしたツイートをしたところ、またもバズが起こってしまった。
「対策の方法間違ってるだろ!」「日本に帰れ!」など、またアンチコメントが来た。
さすがに慣れてしまったので、もはや何とも思わなくない。
こうして、ぼくがマレーシアに来てから、フツフツとしていた気持ちはぶっ飛んだ。
ある意味、吹っ切れたのだろう。
ビジネスを起こせるかどうかは分からないが、間違いなく注目を浴びることができた。